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KDX200SR自作DC電源&LEDサブライト


KDX200SRのヘッドランプは暗く、街灯のない道ではたまに怖いことがあります。そこで、サブライトを増設したくなりました。
古いバイクなので電源が弱いだろうと考え、LEDを使って自作します。
しかし、KDX200SRはバッテリーレス交流電源なので、直流電源を確保するところから始める必要があります。
どうせならシステム全体を直流にしてやろうかとも思いましたが、どのレギュレータを選べばいいかわからないし、
ウインカーリレー、ホーンなどの置き換えも必要になってくるのでひとまずアクセサリー用としてのDC12V取り出しを設けることで落ち着きました。

手持ちの15Vの3端子レギュレータを使って、簡単に作ってみました。

単相交流を全波整流し、電解コンデンサで平滑、レギュレータに入れる単純な回路です。
左からダイオードブリッジ、二並列平滑コンデンサ、三端子レギュレータです。
バイクの電源といえば12Vなので、15Vには足りませんが三端子レギュレータは電圧が足りない場合はそのまま出力するので、
高回転時に電圧が上がり15Vを超えたときだけ降圧するだろうから降圧による損失もほとんどないだろうと思っていたのですが、その目論見は崩れ去ります。

電源は 黒/黄色、茶の二本らしいので、手軽に引いてこれる場所を探したところ、フロントブレーキスイッチから茶、
テールランプ周辺から黒/黄を取り出し、レギュレータ回路はシート下に配置しました。

ライトユニットは、秋月電子の5WパワーLED+レンズのセット、ケースはアルミパイプを短く切り、アクリルとアルミ板でフタをした構造です。

5WLEDともなると放熱を無視できないので、底板のアルミとパイプで熱を逃がすつもりです。
また、LEDに加わる電圧は一素子あたり3.5V程度で、1.5Aまで流すことができます。
三端子レギュレータの出力電流は1.5Aなので、二灯を電源に並列接続すると電流が超えてしまい、さらに抵抗での損失も増えてもったいないので、
LEDを二直列にします。これで損失も減り、抵抗器の放熱の問題も軽減されます。

とはいえ20W級の抵抗器が必要ですが、一般的な抵抗器ではすぐに燃えてしまいますのでこれまた自作します。
テスターで欲しい抵抗値になるように100均で購入したニクロム線を切り、適当なサイズに切りテープを巻きつけ絶縁処理したアルミ板ではさみます。
ちょうどミニチュアのホットプレートを作る感覚です。
数十分通電テストを行い、手で触れる程度の温度であること、中身のニクロム線周辺のテープがこげたりしていないことを確認したら合格です。

ヘッドチューブ付近に固定。 同じ製法で作られた抵抗器。内部の参考に
作りが雑ですが、走行後に点検はしているので問題がありそうなら品質を上げます。

取り付け。テープが巻かれているのはフタの仮止めで、長時間の使用に耐えられるかはまだ不明なため、中身の交換、設計変更を容易にするためです。

回路を接続し、ハンドルにスイッチを取り付けて近所を一周してみました。
非常に明るく林道などでも周囲がはっきり見れそうです。しかし配光もなにもないので光はロービームより下からハイビームより上までカバーし、
先行車がいる状況では迷惑極まりないので使用は先行しているときに限ります。

一周してレギュレータを確認するとカバーのヒートシンクに触れている部分が溶けていました。ボツです。

そこで、次は秋月電子でスイッチングレギュレータを買いました。12V3Aのものです。90%ほどの効率らしいので発熱は抑えられるでしょう。
データシートどおりの回路を製作し、そのまま置き換えました。今度は大丈夫そうです。
流用されたダイオードブリッジと端子台。 チャックつき袋でささやかな保護。
これも保護の仕方が雑で、ケツから出火しないのか?との思われそうですが、発熱に関しては体温程度だったので熱がこもることでの出火はないはずです。 それよりも金属片などでのショートによる出火を考慮した結果こうなりました。 タッパーなどをケースにする案も考えましたが、熱がこもる可能性では同じですし、サイズを回路とピッタリにしないとシート下のスペースに収まらなかったのでこうなっています。

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せっかくDC電源の取り出しができたので、ナンバー灯をLEDに変え、ついでにウインカーを移設しました。
このバイクはオークションで手に入れたのですが、購入時点でナンバープレートのステーがナンバー灯のないものに変更されており、リアウインカーはフェンダーに穴を開けて固定され、
ナンバー灯の機能を兼ねたテールライトが増設されていました。
余分な電力消費はマグネトーの回転を重くし、エンジンパワーが食われてしまうはずです。テールライトを一つ減らせば15W、1馬力は740W程度なので0.02馬力パワーアップになります。誤差。
この位置にウインカーがあるのが気に入らなかったので、純正ライク(たぶん)な位置に変えます。
移設前 移設後

ナンバー灯とするLEDは屋外広告用のLEDです。アクリルなどの看板プレートを内側から照らすバックライトとして使われるものです。
父の仕事の関係で余分が手に入ることがあるので、何かと使えます。

明るさ、サイズ、必要電圧が12Vであることなど、ちょうどいい仕様でした。
DCコンバータにはまだ容量があります。並列につないで常時点灯するようにして完了です。


ちなみに、リアウインカーは汎用のステーをフレームの穴に共締めし、欲しい位置まで伸ばして取り付けています。ハーネスも分岐ケーブルを作っており、純正パーツに加工はしていません。
なぜかというと、すでに廃番となった車種の場合、個人個人が好き勝手に部品を改造(破壊)すればそれだけ正常に組み立てられる台数が減ることになります。 カスタムするなら、クランプや元から空いている穴を使うなど、全く同じ状態に戻せるようにしたいと思っています。 2017/3/17 上記のようなことを言っておきながら、この作業後に、過失とはいえあるトラブルを発生させることになりました。




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