パイプユニッシュは本当にカーボン除去効果があるのか? 290322
パイプユニッシュは本当にカーボン除去効果があるのか?


友人の2stDioのマフラーがエキパイ破れで使い物にならなくなった時の検証です。
交換用として、詰まっていることが理由で格安だった純正マフラーを「灯油やガソリンで洗ったり、パイプユニッシュを使ったり焼いたりすれば詰まりなど簡単に解消できるだろう」
という甘い考えでオークションで落としました。
エキパイの破れた方は排気側から息を吹き込むと「ホッ」と口を指二本分くらい開けて息を吐いた時ぐらいの抵抗です。
詰まった方は「スー」っと小指の先くらいにすぼめて吐いたような抵抗です。これはこのまま付けてもエンジンはまともに回らなそうです。
まず、家にあった灯油を入れてみました。確か500ccほど入れたと思います。
しばらくにシェイクして行き渡らせた後、2日置いて中身を出しました。茶色くなった灯油が出てきましたが、灯油を出し切って乾かしてもほとんど詰まりは解消されていないようです。

次に、パイプユニッシュを買ってきました。800ccのものです。すべて流し込み、同じようにシェイクしてまた2日置きます。
灯油があまり効果がなかったので、効果の足しになるかと暇を見つけてゴムハンマーでブン殴っていたらマフラーがボコボコになりました。
二日後中味を出すと、カーボンのかけらと茶色くなった液が出てきました。中身を水洗いして乾かし、息を吹き込んでみます。多少改善しましたがエキパイ破れのマフラーと比べると抵抗はまだまだ大きいです。

ここで、パイプユニッシュに疑いが出てきました。
付け置く時間が短かったのか?2日置いてそれは考えにくい。加えて知恵袋で質問したときに「カーボンとは炭だ。パイプユニッシュの成分から言ってそれを溶かす効果があるわけがない」という回答があった。
確かに。Wikipediaによると髪の毛を溶かす効果は成分の一つである水酸化ナトリウムによるもののようだが、これはタンパク質を分解しても、炭素の塊は溶かせないだろう。厳密には別物かもしれないがタンパク質でないことは確かだ。
溶かす効果があるならバッチリ詰まりは解消されているだろう。
若干の改善は見られたが、ほとんどがマフラーが変形するほどの殴打による衝撃で剥がれた分なのではないだろうか。
と。

そこで、マフラーをもう一度殴り、出てきたカーボンのかけらを小皿にとり、容器の底に残っていたパイプユニッシュをたらして実験してみることにしました。


小皿に取ったカーボン ユニッシュを垂らした直後40分後6時間後

六時間後までの写真が残っています。
多少茶色いにじみが出ていますが、あまりかけら自体に変化はありません。グズグズになりでもすれば多少は期待はできましたがつついてみてもカチカチしています。

その後、パイプユニッシュの液が乾くまで倉庫の隅に安置しておきましたが滲みの広がりも、かけらの形状にも見た目に大した変化はありませんでした。

小学生の自由研究なみの実験方法により、導き出された結論は、
・茶色いにじみがカーボンの溶けたものなのかもしれないがその後にじみが広がらなかったことを考えると効果は限定的である。
・パイプユニッシュの主成分はタンパク質を溶かすものであり、およそエンジンが吐き出す物質には効果はなさそうだ。
・洗剤成分などがカーボンの粒子同士のつなぎになっている何かを分解するなどしてマフラーの内壁から剥がれやすくする、という効果があるというのであればわからない。
・ただしそれが目的ならタンパク質を溶かすことに主眼を置いたパイプユニッシュよりも適した薬剤があるだろう。
・しかし自分のマフラーは良くならなかった。詰まりがカーボンによるものではない可能性もあるが・・・
という感じです。結局のところよくわからない

これ以上の改善を見込めないと判断したマフラーは試しに取り付けてみるとエンジンの吹けも悪くなく、
持ち主のインプレも「エンジンを意識をしたことがないからよくわからないがこんなもんだったような気がする」という評価だったので、
抜けは確実に悪くなっているが一応走行に問題はない、という煮え切らない結末となりました。



inserted by FC2 system